Olink® PEA テクノロジーの特徴 ― Proximity Extension Assay―
1 つのタンパク質に対し、2 つの DNA タグ付き抗体でイムノアッセイを行い、得られた 2 本鎖 DNA からリアルタイム PCR や次世代シーケンサーで発現定量を行う技術です。
ターゲットタンパク質に特異的な 2 つの抗体が正しく結合した場合のみ、2 本鎖 DNA が形成されるため、極めて特異性の高いアッセイ技術であり、
マルチプレックス反応における抗原と抗体の交差反応性の問題を克服しています。
1)Immuno reaction
ターゲットタンパク質につき、2種類の抗体が選定され、相補的な配列のDNAオリゴヌクレオチドで標識されています。
これらのオリゴ標識抗体が、溶液中にてターゲットタンパク質に結合します。

2)Extension reaction
2つの抗体が近接すると、それらに結合している相補的なDNAオリゴヌクレオチドがハイブリダイズします。

3)Amplification
それぞれのターゲットタンパク質に特有の配列である2本鎖DNAが、初期濃度に比例して生成されます。

4)Detection by qPCR
microfluidic qPCRによって、定量化されます。

5)Data generation and QC
専用の解析ソフトウェアにデータをインポートし、データ品質の検証、データノーマライズを行います。
また、Olink®Insights Stat Analysisで統計解析を実施できます。

マルチプレックス抗体反応における “交差反応性” の問題を解決
マルチプレックス ELISA
交差反応により生じた非特異的産物もシグナルとして検出され、濃度が過剰・過少評価される場合がある。

PEA 法
交差反応により生じた非特定的産物では、二本鎖 DNA が形成されないため、リアルタイム PCR シグナルとして検出されない。
そのため、より多くのマルチプレックス反応を、精度よく行う事が可能。

微量サンプルからでも数多くのタンパク質を測定可能
マイクロフリューディクス技術により、1 パネル(Target 96 の場合、92 タンパク質の測定)に必要な血漿はたった 1uL。
複数パネルを活用すれば、より多くのタンパク質をカバーできます。
Target 96 で 最大 1,161 タンパク質をカバー(13 パネル使用時。サンプル量はわずか 13 uL )
透明性のあるバリデーションデータ
アッセイ開発時におけるバリデーション結果が公開されています。
- 感度 検出限界(LOD)、定量幅(LLOQ、ULOQ)、Hook 効果点の算出
- 特異性 交差反応性の確認
- 再現性 同時再現性(Intra CV)および日差再現性(Inter CV)の算出
- スケーラビリティ マルチプレックス数を変化させた時の相関試験
- ダイナミックレンジ 組換えタンパク質を用いた定量幅の算出

厳密なデータ品質管理
Olink Proximity Extension Assay(PEA)は、複数のコントロールを使用し、全工程によって問題が生じていない事が厳密にチェックされます。
内部標準
Immuno controls
非ヒト抗原(phycoerythrin と GFP)2 種類とそれらに結合する各 2 つの抗体です。
PEA のすべてのステップに問題がないか評価できます。

Extension control
マッチするオリゴペアが IgG抗 体 に 結 合 さ れ た も の で、DNA タグは常に近接しています。
伸長反応、増幅、検出のステップの評価に使用されます。
また、データのノーマライズにも使用されます。

Amplification/Detection control
合成 2 本鎖 DNA です。
増幅、検出のステップの評価に使用されます。

外部標準

Sample control (〇x2)
ヒト血漿 (pooled)
⇒ intra/ inter CV 値を算出
Negative control (〇x3)
標準的なバッファー
⇒ 検出限界 (LOD) の算出
Interplate control (〇x3)
オリゴペアが結合した
抗体 92 種類
⇒ ラン内・間のノーマライズ
品質管理(例)
