Olink Target 96 Inflammation: 自己免疫疾患研究における実施例(リウマチ)2

IL-12/IL-23p40 は、関節炎におけるアプレミラストの下流ターゲットである

乾癬性関節炎(PsA)は、滑膜関節の炎症を特徴とする慢性の自己免疫疾患である。PsAでは、IL-12/Il-23p40 サブユニット、Il-23、およびIl-17の阻害における臨床的有効性から、これらの炎症性サイトカインが重要な役割を果たしていると考えられている。アプレミラストは、乾癬やPsAに対する治療効果を示す小分子ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害剤である。PsA患者に対しアプレミラストを投与すると、TNFαやIL-17、IL-23などの炎症性サイトカインの血漿レベルが低下することが知られているが、この変動には二相性があることが知られている。治療開始4~16週目まではTNFαの減少を示すが、40週目になるとIL-17やIL-23の減少を示すようになり、この機序は明らかにされていない。

筆者らは、このアプレミラストの下流シグナルを明らかにすることを目的として、活動性の関節リウマチまたはPsA患者の滑液細胞を培養し、アプレミラスト添加後の培養上清をOlink Target 96 Inflammation パネルにて分析した。

その結果、IL-12/Il-23p40、CSF1、CD6、CD40の産生が有意に減少、またCXCL5の産生が有意に増加しており、特にIL-12/Il-23p40は最も強く阻害されていた。その他、滑膜細胞を培養した21日間滑膜細胞を培養した際のアプレミラストの効果を検討すると、IL-10の産生が有意に増加していることが明らかとなった。

本研究によって、乾癬やPsAで認められた治療効果を説明できる知見が得られた。また、アトピー性皮膚炎、クローン病、潰瘍性大腸炎など、IL-12/IL-23を介して発症しうる炎症性疾患の治療効果も期待される。

Kragstrup T, Adams M, Lomholt S, Nielsen M, Heftdal L, Schafer P and Deleuran B. IL-12/IL-23p40 identified as a downstream target of apremilast in ex vivo models of arthritis. (2019) Therapeutic Advances in Musculoskeletal Disease,
DOI: 10.1177/1759720X19828669

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