サービス概要
グライコブロッティング法とは
化学選択的な糖鎖捕捉反応に基づいて、生体試料由来糖鎖の網羅的かつ定量的なプロファイル取得を大幅に高速化する技術です。
アミノオキシ基またはヒドラジド基を有するビーズで糖鎖だけを捕捉し、ビーズ上でメチル化、ラベル交換反応を行うことで、迅速な糖鎖解析を可能とします。
本サービスは、医化学創薬株式会社との業務提携により提供します。

参考文献:
- Angew. Chem. Int. Ed., 2005, 44, 91-96.
- Clin. Cancer Res. 2006, 12, 2506-2511
- Angew. Chem. Int. Ed., 2007, 46, 8808-8813
- Anal. Chem. 2008, 80,1094-1101.
- Mol. Cell. Proteomics. 2010, 9, 523-537.
- ChemBioChem 2013, 14, 73-82
本サービスの特徴
- グライコブロッティング法を用いることで、迅速な糖鎖解析が可能です。
- 培養細胞、体組織などから定量的な糖鎖解析ができます。
こんな人にオススメ
- 血清や血漿などに含まれる糖鎖を網羅的に調べ、疾患関連バイオマーカーを探索したい。
- 発生段階や病態、薬剤処理の前後などによって変動する糖鎖マーカーを探索したい。

解析例:ヒト血清N型糖鎖プロファイル(Molecular Cellular Proteomics 7:370-377,2008)
仕様
装置
糖鎖自動前処理装置:SweetBlot(R)(システム・インスツルメンツ株式会社)
質量分析計:5800 MALDI TOFTOF TMシステム(株式会社エービー・サイエックス)
仕様と価格
価格 | グライコブロッティング法を用いた血清/血漿のN型糖鎖解析:145,000円(税別) |
必要サンプル量 | ヒト血清/血漿 100 μl マウス血清/血漿 50 μl |
納期 | 約2週間 |
報告資料
- m/z の生データ(エクセル表)
- 2群間比較の場合、ピーク毎の箱ヒゲ図(Box-plot)とROCカーブ(Receiver Operating Characteristic-Curve)
ヒト血清及び血漿の場合(マウスなど他の動物血清及び血漿の場合は要相談) - ピーク毎の推定構造
- 参考データとして検量線
報告例(人血清の場合)

左図:箱ひげ図
検体ごとの分布を知るために、ここでは一症例を一つのプロットで反映させています。「ひげ」は最小値と最大値を、「箱」は第1四分位点から第3四分位点の範囲をそれぞれ表しています。「箱」の中のひときわ太い線は、中央値を、縦軸は量比を表しています。
右図:ROC(Receiver Operating Characteristic)カーブ
診断用テストなどで特異度・感度を求める際、使用される統計グラフの一種です。このカーブの下の面積AUC(Area Under the Curve)は、診断能の指標として用いられます。
分子の糖鎖構造は、分母の糖鎖構造より、白丸(ガラクトース)が一つ多く付加しています。生体内では、分母に示す糖鎖構造が原料となりガラクトース転移酵素の触媒作用により分子に示すの糖鎖構造が合成されることが分かっています。本ケースでは、疾患Aにおいてこのガラクトース転移酵素の反応が進行しにくくなっていることが示唆されます。
注意事項
充分なサンプル量があっても全く未知の糖で構成されている糖鎖である場合は、MSで質量を求めてもこれまでの糖鎖情報が使えないため推定構造が得られない場合があります。
ご依頼に必要な情報
- サンプルの種類、由来
- 臨床サンプルの場合、インフォームドコンセントを取っていること
- 冷凍状態での保存、輸送
- サンプルの調製日