LC-MS/MSによるゲル内タンパク質同定

LC-MS/MS分析を用いて微量なサンプルから高感度にタンパク質を同定します。

サービス概要

LC-MS/MS分析では、タンパク質をプロテアーゼ処理して得られた断片ペプチドを逆相HPLCで分離・濃縮しながらハイブリッド型質量分析計で検出します。質量分析計により得られたペプチドの質量、および質量分析計内でアルゴンガスと衝突させることにより得られたフラグメントイオンのスペクトル(MS/MSデータ)をデータベース検索(Mascotサーチ)することによりタンパク質を同定します。

HPLCで分離しながら分析を行うので、多くのペプチドの情報が得られ、一度の分析で複数のタンパク質が同定できます(ただし、混在する全てのタンパク質、マイナー成分まで同定できるとは限りません)。
ペプチドごとにMS/MSスペクトルが得られるため、1つのペプチドが得られれば、目的タンパク質を同定できます。
独自のノウハウにより、業界トップクラスの微量分析技術を保有しています(25 fmol から分析可能)。 また高い同定率(95%以上)を誇ります。

MS/MSデータによるデータベース検索を行うため、アミノ酸配列まで含めた信頼性の高いデータの取得が可能です。

仕様

必要サンプル量・25 fmol 以上
・ゲル片
・分析使用可能レーン数:5、6レーン程度 [ 12ウェルのミニゲル(約9×7cm)の場合]
・推奨染色法:CBB染色、SYPRO Ruby染色、ネガティブ染色、銀染色(質量分析用)※1
※弊社のMS用銀染色キット高感度CBB染色キットをご利用いただくと、より正確に分析が行えます。
または各メーカーから販売されております、質量分析用キットをお使いいただくか、グルタルアルデヒドを用いない仕様で染色してください。
※ 弊社にて電気泳動からの調製(SDS-PAGE)も承っております。
サービス内容サンプル前処理
  ┗酵素消化・精製
LC-MS/MS分析
  質量分析計: Orbitrap Exploris 480 (Thermo Fisher Scientific)
  HPLC : Vanquish Neo (Thermo Fisher Scientific)
データ解析
  ┗同定タンパク質リスト
納期サンプル受領から、3~4週間程度
※ サンプルを受け取るタイミングによっては、前後する場合があります。

サンプル調製時の注意点

コンタミネーション

非常に高感度で検出が可能なため、微量の混在物でも分析に影響する可能性があります。
特に以下の点にご注意ください。

  • サンプル調製の際には、必ず手袋を着用する(ケラチンの混入を防ぐ)。
  • 染色に使用するバットなどは、出来るだけディスポーサブルの物を使用するか、染色専用の物をご用意ください。くれぐれもイムノブロットなどの他の実験に使用したバットは使わないで下さい。IgG や アルブミンなどが混入する原因となります。

電気泳動について

以下の点にご注意ください。

  • 高純度のアクリルアミドを使用する。
  • 作製後、1日以上経過したゲルを使用する。
  • レーン数を出来るだけ少なくする。

※1度の処理に使用できるゲルの量は、5~6レーン程度となります。

銀染色について

銀染色を実施される場合には、グルタルアルデヒドの含まれていないキット・プロトコルをご使用ください。
弊社では、下記のキットの使用をお勧めしております。
MS用銀染色キット

還元について

還元処理したサンプルからの分析をお勧めします。

非還元条件にて調製されたサンプルは、還元条件下にて調製されたサンプルに比べ、プロテアーゼ処理
後の断片ペプチドの回収率が低くなることが予想されます。
そのため、可能な場合には電気泳動の際に、DTTや2-メルカプトエタノール等の還元剤を用いて処理してください。

なお、弊社で切り出し後のゲル片から還元アルキル化処理から実施することも可能です(別途 40,000円(税別) / サンプル 必要となります。)。

価格

商品コード商品名内容販売価格(税別)
 LC-MS/MSによるゲル内タンパク質同定 110,000円

参考資料

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